皆さん、おはようございます。
この1か月間、世界中がサッカー、FIFAワールドカップで大いに盛り上がりました。サッカーは「言葉のない言語」とも言われます。言葉が通じなくても、ボール一つで世界中の人々が喜びや感動を分かち合うことができます。
今回のワールドカップは、史上最多となる48か国が参加しました。世界中から多くの人がカナダ、アメリカ、メキシコに集まりました。もちろん、今回の大会では政治やチケット価格など、さまざまな課題もありました。
特に、チケット価格は、ダイナミックプライシング、つまり、需要に応じて価格が変わる方式の影響で、人気試合は数百ドルから千ドルを超えるケースもあり、「一般のファンが観戦できない大会になっている」という批判が多くありました。
しかし、そのような中でも、カナダは『誰もがスポーツを楽しめる場をつくろう』という発想で、多くの人を笑顔にしました。
カナダでは、「Natural Watch Parties」という、とてもユニークな試みが行われました。山の頂上や湖のほとり、島など、美しい自然の中に大型スクリーンを設置し、誰でも無料で試合を観戦できるイベントを開いたのです。
例えば、トロントでは、オンタリオ湖に浮かぶトロント・アイランドに大型スクリーンを設置しました。観客はフェリーだけでなく、カヤックや大型カヌーで島へ向かい、美しい湖や緑豊かな自然、そしてトロントの高層ビル群を眺めながら、ドイツ対コートジボワール戦を無料で観戦しました。
一方、バンクーバーでは、市街地を見下ろすグラウス・マウンテンが会場になりました。山頂には巨大スクリーンが設置され、パナマ対イングランド戦をアルプスのような雄大な景色の中で観戦することができました。試合後には、先住民族であるスクォミッシュ族やツレイル・ワウトゥス族の文化に触れられる施設を訪れることもでき、スポーツだけでなく、カナダの歴史や文化も体験できるイベントとなっていました。
これらのイベントは、どちらも無料でした。ワールドカップの試合チケットは非常に高額でしたが、「お金がなくても、地元のカナダ人のみならず、世界中からカナダを訪れる観光客も、一緒にサッカーを楽しめるように」という思いから企画されたのです。
Destination Canadaの担当者は、「人々は本物の体験を求めています。山の上に立ったり、五大湖でカヌーを漕いだりしながらサッカーを観戦することは、カナダならではの魅力を感じてもらえる」と話しています。
さらに、カナダ政府の観光担当大臣も、「スポーツ観戦は人々の心を一つにし、国内外の人々に忘れられない思い出をつくる。そして地域の観光や経済にも大きな力を与える」と述べています。
ワールドカップは、人と人、国と国をつなぐ大会でした。そしてカナダは、そのつながりを、美しい自然の中へと広げました。
皆さんも、この夏休みは、家の中だけで過ごすのではなく、安全に配慮しつつ、ぜひ自然の中へ足を運んでみてください。木々の緑や空の広さ、風の心地よさ、蝉の声や夕焼けなど、普段は見過ごしてしまう自然の姿に、素直な心で触れてみてください。
国本女子の校訓の一つである「自然に対する素直さの涵養」とは、自然を守ることだけではなく、その美しさや力強さに心を動かされる感性を育てることでもあります。そうした体験は、きっと皆さんの心を豊かにし、新しい発見や成長につながるはずです。
この夏は、人とのつながりを大切にするとともに、自然とのつながりも感じてください。そして、その中で得た学びや感動を、二学期にはぜひ友達や先生、ご家族と分かち合ってください。
皆さんが一回り成長した姿で、元気に二学期を迎えてくれることを楽しみにしています。充実した夏休みを過ごしてくださることを願っています。

