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KUNIMOTO GIRLS’ JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

「自分でものを考え、人々のために行動する女性に」校長講話【6月10日(水)】

2026.06.18

在校生

中学生

高校生

皆さん、おはようございます。今日は、一人の女性の悲しい出来事からお話をしたいと思います。2019年、イランでサハル・ホダヤリさんという女性が亡くなりました。彼女はサッカーが大好きでした。しかし当時のイランでは、女性がスタジアムでサッカーを観戦することが認められていませんでした。そこで彼女は男性に変装してスタジアムに入ろうとしましたが、見つかって逮捕されてしまいます。そして深く絶望し、自ら命を絶ってしまいました。

私はこの出来事を知ったとき、「女性であるというだけで自由が制限される社会は、本当に正しいのだろうか」と考えさせられました。皆さんが今こうして学び、自分の夢について考えることができるのは、決して当たり前のことではありません。それは、多くの先人たちが困難を乗り越えながら道を切り開いてくれたからです。

津田梅子さんは、「女性に高等教育は必要ない」と言われた時代に、女子教育の道を切り開きました。荻野吟子さんは、「女性は医師になれない」と言われた時代に、日本初の女性医師となりました。そして、もう一人紹介したいのが緒方貞子さんです。

緒方貞子さんは上智大学の教授を経て、国連難民高等弁務官として世界中の難民支援に尽力しました。大学生時代、緒方さんは恩師から大切な言葉を受け取ります。その教えは、「自分でものを考え、自分で判断し、人々のために行動する女性になりなさい」というものでした。

緒方さんは、その言葉を生涯大切にしながら歩み続けました。その姿勢を象徴する出来事があります。1991年、湾岸戦争後、多くのクルド人難民が命の危険にさらされていました。緒方さんは自ら現地に足を運び、その状況を自分の目で確かめます。そして、人々を救うために各国政府や国際機関に働きかけ、アメリカ政府にも支援を求めました。「今行動しなければ、多くの命が失われる」そう考え、自ら行動したのです。私は、この姿に本当のリーダーシップを見る気がします。また緒方さんは、世界で活躍しながらも日本人としての文化や品格を大切にしました。私は今でも、大学のキャンパスでお着物をお召しになっていた緒方先生の凛としたお姿を、懐かしく思い出します。先生は、世界で活躍するために日本らしさを捨てるのではなく、自らのルーツを大切にしながら、人々や社会のために尽くされた方でした。

さて、この三人の女性に共通していることがあります。それは、「女性だから無理だ」と言われても、自分の可能性をあきらめなかったことです。そしてもう一つ。その力を、自分のためだけではなく、人々のために使ったことです。私は、本校が大切にしている「利他の心」とは、そのような生き方だと思います。

「自分の才能を磨く。」「自分の夢を追いかける。」そして、「その力を誰かの幸せのために使う。」それが利他の心です。

皆さんにも、緒方貞子さんが恩師から受け取った言葉を贈りたいと思います。「自分でものを考え、自分で判断し、人々のために行動する女性になりなさい。」ぜひ、そのような女性へと成長してください。そして、自分の才能を人々の幸せのために生かせる人になってほしいと思います。それが、本校の大切にする「利他の心」の実践だからです。以上でお話を終わります。

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