料理研究家であり、辰巳芳子先生の内弟子でもいらっしゃる対馬千賀子先生より、ご著書『あるべきように―辰巳芳子の長寿の食卓』をご謹呈いただきました。
本書には、辰巳先生が大切にされてきた、知識としての栄養を超え、体が自然に求める料理のレシピが紹介されています。造血を助ける牛肉のソテーや、血を整えるにんじんとりんごのジュースなど、日々の食がいかに私たちの命と健康を支えているかを実感させてくれる一冊です。
対馬先生は同時期に、『滋味深い料理―ささやかで豊かな日々を送るためのレシピ集』も出版されました。ご多忙な執筆活動の中にあっても、本校の生徒たちのために時間を割いて、惜しみなく料理の神髄を伝えてくださっていることに、心より感謝申し上げます。
本校では毎年、卒業を迎える高校3年生が、対馬先生のご指導のもと、辰巳先生のいのちのスープを代表する、「ポタージュ・ボン・ファムー貴婦人のスープ」の調理に取り組みます。火が均等に通るよう素材の切り方を工夫すること、焦げないよう火加減を調整すること、アクを丁寧に取ること、裏ごしによってなめらかさを生み出すこと――。一つひとつの工程を大切にすることで、「なぜおいしくなるのか」を体験的に学びます。
コンビニ食品に親しんでいる生徒たちも、有機・無農薬野菜の持つ本来の味わいに驚き、食の力と素材の豊かさを実感します。そして、授業での体験を家庭で語ることで、食を通した家族との会話や、新たな気づきも生まれています。
湯気の向こうにいる誰かのために、心を込めて料理を作る――。この実習を通して、生徒たちが食の大切さと、人を思いやる心の温かさを感じ取ってくれることを願っています。
対馬先生、そしてアシスタントの小出先生、いつも貴重な学びの機会をいただき、誠にありがとうございます。


