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KUNIMOTO GIRLS’ JUNIOR & SENIOR HIGH SCHOOL

「言葉を広げること、脳を休ませること」校長講話【9月1日(火) 中高始業式】

2026.09.01

在校生

中学生

高校生

皆さん、おはようございます。

今日は、防災の日です。早朝から各地で防災訓練が行われています。この夏、自然災害のために、熊本、新潟、富山、福井、千葉など各地で、被災した方々がおられます。順調な復興を祈ると共に、復興に協力しましょう。こうして学校に集えることは当たり前のことではありません。心から感謝いたしましょう。

さて、今日から2学期が始まります。

2学期は、授業だけでなく、体育祭、記念祭をはじめ、さまざまな学校行事があります。お友達と一緒に考えたり、何かを作ったり、新しいことに挑戦したりする機会もたくさんあります。

今日は、その2学期の始まりに、皆さんに二つ、大切にしてほしいことをお話しします。

一つ目は、「言葉を大切にすること」です。

皆さんに、ちょっと考えてもらいたいと思います。

「りんご」と「月」。

この二つに共通するものは何でしょう?――どうでしょうか。

たとえば、どちらも「丸い」。もちろん、りんごと月は、本来は、まったく違うものとして考えます。

ところが最近、ハーバード大学の研究者が参加した創造性についての研究を知って、とても興味深いと思いました。

研究では、互いに意味の離れた単語を思いつくことのできる人ほど、従来から使われてきた創造性を測る課題でも高い成績を示す傾向があることが報告されています。

つまり、一見関係のない言葉や考えの間に、新しいつながりを見つける力が、創造的な思考と深く関係しているということです。

先ほどの「りんご」と「月」もそうです。

「りんご」と「月」から「丸い」という共通点を見つける。そして、そこからさらに別のことを連想していく。

例えば、「球体AI」とか「円形経済」などです。このように、遠く離れていた言葉と言葉の間に、自分で橋を架けていくということです。

実は、私たちの身の回りにある画期的なものも、こうした「今まで別々だったものを結びつける」という発想から考えることができます。

たとえば、iPhone。

「電話」と「音楽プレイヤー」と「インターネット」。それまで別々だったものが、一つにつながりました。

ディズニーのテーマパークも、「アニメーション」や「物語」と、現実の「遊園地」という世界を結びつけたものと考えることができます。

新しいものを生み出すというのは、ゼロから突然、何かを思いつくことだけではありません。

今まで離れていたものを、「これとこれを組み合わせたらどうなるだろう」と考えること。

そこから創造が始まることがあります。

そう考えたとき、私は少し心配になりました。

皆さんは毎日、スマートフォンやインターネットから、たくさんの情報を得ています。

でも、インターネットはとても賢いので、皆さんが好きなものを覚えていきます。

音楽が好きなら音楽。
ゲームが好きならゲーム。
ファッションが好きならファッション。

SNSや動画サイトを開けば、自分が興味をもちそうなものが次々に出てきます。

便利ですよね。

でも、それだけの生活を続けていたら、自分の頭の中に入ってくる言葉が、いつの間にか似たものばかりになってしまわないでしょうか。

知らないうちに、自分の世界を狭くしているかもしれません。

だからこそ、ときには、自分が普段なら選ばない本を読んでみる。
知らない分野の話を聞いてみる。
美術が好きな人が科学に触れてみる。
スポーツが好きな人が歴史を読んでみる。

そして学校では、自分とは違うことが好きなお友達と話してみてください。

「そんな考え方があるんだ」
「そんな言葉、知らなかった」
「私はそう思わなかった」

そんな小さな驚きが、皆さんの頭の中に、新しい言葉と新しい世界を増やしていきます。

学校で学ぶ意味の一つは、自分一人では出会わなかったものに出会うことなのかもしれません。

そして、もう一つ、2学期に大切にしてほしいものがあります。

それは、睡眠です。

皆さんの年代の脳は、今、大きく成長している途中です。

睡眠が不足すると、単に「眠い」「疲れた」というだけではありません。

集中すること、覚えること、感情をコントロールすること、正しく判断すること。そして、新しいアイデアを生み出すことにも影響します。

せっかく頭の中にたくさんの言葉や知識があっても、脳が疲れ切っていたら、それらを十分に結びつけることができません。

夜遅くまでスマートフォンを見て、翌朝、眠い頭で学校に来る人はいませんか。

それを繰り返していたら、自分が本来持っている力を十分に発揮できません。

ですから、できるだけ7時間から8時間程度の睡眠を意識してください。

「寝る時間がもったいない」と思う人もいるでしょう。

でも、睡眠は何もしない時間ではありません。

明日の自分の脳をつくる時間です。

今日、皆さんに覚えておいてほしいことは、二つ。

言葉を広げること。
そして、脳をきちんと休ませること。

知らない言葉に出会ってください。
知らない世界に少し足を踏み入れてください。
自分とは違う考えを持つ人と話してください。

そして夜、寝る1時間前には、スマートフォンを置いて、しっかり眠ってください。

2学期には、たくさんの学校行事があります。

その中では、思い通りにいかないこともあるでしょう。お友達と意見が違うこともあるでしょう。

でも、そんなときこそ、自分とは違う考え方や言葉に出会うチャンスです。

この2学期、皆さんの世界が1学期より少し広くなり、今まで自分の中で離れていたものとものがつながる瞬間を、たくさん経験してほしいと思います。

そして、そこから新しい考えや、新しい自分を生み出してください。

言葉を大切に。
そして、睡眠を大切に。

学校行事の多い2学期を充実させ、皆さん一人ひとりが大きく成長することに期待しています。

この2学期の終わりには、皆さんの頭の中に、今日よりもっとたくさんの『りんごと月』が生まれていますように。

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